岐阜新聞11月18日
中古車の走行距離を示すメーターを特殊な機器を使って巻き戻し、販売する新たな詐欺商法の手口が出始めた。
車検証に直近2回の車検時の走行距離が記載される仕組みを悪用し、短期間に2度車検を受けて実際の距離が分からないようにしていた。
犯行グループは自動車修理業者に走行距離を実際の約21万キロから約3万8千キロに改ざんさせるなどして、1日のうちに車検を2度受け、ネットオークションを通じて販売していた。15万円以下で仕入れた車を30万円前後で売っていた。
車検の有効期限は乗用車、軽乗用車ともに2回目以降は2年。軽自動車検査協会は「短期に2回も車検を受けるのは一般的に考えておかしいが、申請に必要な書類がそろっていれば、拒否できない」と説明する。
中古車のメーターを巻き戻して販売する詐欺商法は古くからあったが、メーターがアナログからデジタルに変わって被害は減少傾向にあった。だが、デジタルメーターでも改ざんできる特殊な機器が出回り、新たな手口が昨年ごろから大阪や岐阜などで見られるようになった。機器はネットでも入手が可能だ。
国交省は当面の対策として、同じ車で車検を繰り返す人がいれば警察にすぐに連絡するよう同協会と全国の運輸支局に求めている。
注意喚起です。
車検証に走行距離が記録されるようになったのは10年くらい前からでしょうか。
この手口は、少し前から聞くようになりました。
「車検証には、過去2回分の走行距離が機械的に記録される」ということを悪用し、車検証上で走行距離が少ないように偽装する手口です。
最初に聞いたとき、なんでこんなことが成り立つか疑問でした。
ある程度の走行距離のある車について、車検を受け(1回目)、その翌日に再び車検を受ける(2回目)やり方です。
さらに、1回目の車検のとき、旧車検証に記載されていた走行距離より、少ない走行距離に変わってます。
たとえば、
11/1に車検1で、前回20万kmの走行距離が、5万kmとなっている。車検証には過去2回(20万km、5万km)が表示される。
11/2の車検2で、前回(車検1)の走行距離が、5万kmのまま。車検証には過去2回(5万km、5万km)が表示される。
これって、
- 「走行距離が減る」というあり得ない現象が、車検の際にスルーされていること
- 車検証上ではたしかに走行距離は表示されるが、車検の日付けも記載される
なんです。
つまり、「分からないはずがない」ことが、まかりとおっている。
1については、メーターを新品に交換したらゼロからはじまるから、走行距離の矛盾という現象は起こり得る。でも、わざわざ「5万km」の走行距離にするなんて、何かの理由がない限り、あり得ない。
国交省が対策を怠り、なめられているだけでしょう。
2については、買う方が気を付ければわかる。
なので、注意喚起です。
中古車って、オークションでの売買が多く、素性の知れないものがたくさん紛れています。
中古車販売業者から購入しても、その業者はオークションで仕入れていることもあります。
買うなら、信頼できるところからですね。