ため込んでいたアンケートをご紹介するシリーズ,第3回。
ご夫婦で事故に遭われた方です。
ご夫婦で乗車されているときに,追突の被害に遭われました。
かなり強い衝突で,被害車両は大破したようです。
ご夫婦とも後遺症を自覚されていて,ご主人の方は問題なく後遺障害認定されました。
問題は,奥様でした。
妊娠されていたため,事故直後,かかりつけの産婦人科を受診されました。
そこでは,胎児と母体の安全について診察され,「問題ない」との評価を受けました。
不幸中の幸いでした。
しかし,産婦人科で「問題ない」と評価されたことが,後々,後遺障害申請においては,マイナスに作用したのです。
奥様は,自賠責から,後遺障害「非該当」とされました。
妊娠されている方が,事故直後に産婦人科を受診するとの判断は,絶対に正しい。
しかし,損害賠償の局面では,医師に「問題ない」と評価された事実は軽くない。
たとえ,その後に整形外科に通院していたとしても,自賠責は,形式的に判断しがちです。
「非該当」との認定に対しては,異議申立をして,自賠責に,より踏み込んだ調査を要請することができます。
それによって,結論が変わるケースも少なくありません。
もっとも,異議申立てのためには,それなりの準備と,時間が必要です。
本件では,結局,ご本人の意向から異議申立はせず,早期決着を図ることにしました。
弁護士基準(裁判基準)で算定して,お二人あわせるとそれなりの賠償金額となり,ご満足頂けたようです。
ただ,弁護士としては,割り切れない思いが一抹残った事案です。
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アンケート紹介は,見えにくく比べにくい「法律事務所」のサービスについて,イメージを持って頂くために行ってます。 実際のご利用者の感想を,参考にされてください。
なお,すべてをご紹介すると膨大となるため,特徴的な件,印象深い件を中心にピックアップしてます。