被害者から依頼を受けるということ

投稿者: | 2012年9月11日

 

アトラス法律事務所の所長弁護士徳永隆志です。

ここ最近,アンケートをご紹介していますが,いつもはスタッフに報告してもらっています。

ただ,今回のアンケートは,自戒を込めて,私からご紹介しようと思います。

※掲載にはご本人の承諾あり。個人情報保護のため,画像の一部を加工しています。

 

 

交通事故の被害に遭われた方です。

事故は,「歩道を歩いていたら,歩道を走るバイクから衝突された」という,悪質な態様でした。

それにもかかわらず,加害者側の対応が不誠実であることに憤りを感じて,ご自身の加入する保険(代理店)から紹介を受けて,当事務所に相談にいらっしゃいました。

受任して,先方と示談交渉をしました。一筋縄ではいきませんでしたが,最終的には,当方の請求どおりの内容で,早期示談となりました。 事案としては,大変うまくいって,ご納得頂ける解決を導くことのできたケースです。

 

ただ,事件終了時のアンケートにおいて,初期段階の私の態度が「少し怒った」ように感じられたと,ご指摘を受けました。

もちろん,実際に怒ることはありません。

しかし,弁護士は,法律・判例に照らして,できること・できないことを,正しく説明する責務を負っています。 その説明が,時に,被害感情の強い被害者の方にとっては,被害の実態を軽んじた一方的な態度であると受け取られる可能性はあります。 そういった時に,「怒った」ように感じられるのだと思います。

被害者が被害感情を持つのは,自然であり,かつ当然のことです。

それを分かった上で,正しい説明と,被害感情に配慮した態度を,両立させるのがプロです。

いつも心がけていますが,まだまだ修行が足りません…。

 

被害者に十分に配慮して応対することは,スタッフにも,常日頃から言い聞かせています。

幸いにして,当事務所のスタッフは,みんな,人間性も能力も素晴らしく,お褒めにあずかることが多いです。 所長弁護士の未熟さを,優秀なスタッフたちが補って,当事務所のサービスは成り立っています (^^)

この方にも,最終的には,大きな満足を感じて頂く中で事件を終了でき,安堵しました。

 

試みに始めたアンケートですが,当事務所の素晴らしい部分を確認し,かつ,当事務所(というより私)の要改善の箇所を明らかにする,とても有益な情報が得られています。

今回,貴重なご意見を頂いたことに感謝しつつ,今後,なお一層,スタッフともども気を引き締めて,取り組んでいきたいと思います。