貸金返還請求訴訟:多発,京都の業者が個人債務者に 簡裁で前年比4倍 知識乏しさ便乗/時効後“生き返り”
(毎日新聞2012年06月25日)京都簡裁で昨年夏ごろから,京都市の金融業者(現在は大阪市に移転)が全国の個人債務者を相手取り,数千件規模の貸金返還請求訴訟を起こしていたことが分かった。
同簡裁によると,11年度に扱った貸金返還請求訴訟は6625件で,前年度の約4倍。簡裁関係者は「増加分の多くはこの業者による訴訟」と話す。多い時は裁判が1日100件以上あり,大半が口頭弁論を1回開くだけで即日,業者の請求通りの判決が出ていた。
時効期間が過ぎた債務が”生き返る”ケースも。消滅時効は債務者が業者に内容証明郵便などで通知しないと成立しないが,業者勝訴の判決が確定すると,逆にその日を起点に10年間の時効期間が始まるからだ。訴訟資料などによると,業者は旧幸福銀行(99年経営破綻)系列の消費者金融など複数の業者からの営業譲渡などで大量の債権を所有しているとみられるが,「取材には応じられない」としている。
業者からの借金は,5年間で時効にかかります。 ただ,5年間の期間が経過しただけだと,「グレー」なんです。
業者に対して,「時効だから払わない」趣旨の通知書を出したときに,初めて,時効が確定します。
ところで,あまり知られてないかもしれませんが,「裁判所の呼出状(郵便)を無視したら,裁判に敗けたことになる」のが,民事訴訟法のルールです。
どんないいがかりでも,裁判を起こされたら,対応しなければならない。 対応しなければ,敗訴です。
5年間の期間が経過しただけの「グレー」の状態のときに,敗訴してしまったら,大変です。
だから,
(1) 裁判所から呼出状(郵便)が来たら,行って「時効だから払わない」と説明するか,あるいは,その趣旨を書いた書類(答弁書)を裁判所に提出すること
(2) 敗訴判決(郵便)が送られて初めて事態に気づいたら,それを受け取ってから2週間以内に,控訴(裁判所への異議申し立て)の手続をとること
が,必須です。
盲点をついたやり方ですが,この手の手口は,昔からあります。
更に裏をかいて,「裁判所の名を騙った」詐欺もあるので要注意。
不安があれば,ただちに,弁護士に相談に行ってください。