金融庁,信用情報機関2社を指定

投稿者: | 2010年3月11日

(日経ネット2010年3月11日より)
 金融庁は11日,貸金業法に基づき個人の信用情報を取り扱う機関として,シー・アイ・シー(東京・新宿)と日本信用情報機構(東京・千代田)の2社を指定した。
 6月の同法完全施行時には,個人への貸付総額を年収の3分の1以下に抑える総量規制が導入される予定。個人への融資業務を手掛ける貸金業者は両社のいずれかに加盟して,顧客の信用情報を登録し他社からの借り入れ状況などを確認するよう義務付ける。

 貸金業法の改正により,借り入れできる金額が,年収の3分の1までに制限されます。 いわゆる,「総量規制」(直接的には,貸金業者に対する規制)です。
 実施は6月ですが,貸金業者は貸し渋りを始めています。 最近,とみに,資金繰りに窮した方のご相談が多いです。

 総量規制制度のためには,信用情報の一元管理が不可欠の前提となります。 その仕組みが,整えられたようです。
 信用情報は,ちょっと前までは,銀行系,信販系,消費者金融系の情報管理組織が,それぞれ独立して存在し,相互の情報共有はありませんでした。 消費者金融の負債について債務整理をしても,クレジットはそのまま使えるといったことがありました。 その状況は,徐々に変わっていましたが,総量規制によって,国の制度に昇華し,完全な一元管理へと発展したものです。

 信用情報が完全に管理される…。 その影響は,総量規制にとどまらず,計り知れないものがあるのではないかと危惧しています。