【5/28】話題:熱中症死亡事故

投稿者: | 2010年6月2日

水海道一高の熱中症死亡事故:県への損賠訴訟,両親の請求棄却 /茨城

(毎日新聞2010年5月28日より)
 常総市の県立水海道一高1年の男子生徒(当時16歳)が07年8月,ハンドボール部の合宿中に熱中症で死亡した事故で,生徒の両親が部顧問の男性教諭に安全配慮義務違反があったとして県に約7194万円の損害賠償を求めた訴訟で,水戸地裁(窪木稔裁判長)は27日,両親の請求を棄却した。
 裁判で原告は「試合中に水を飲むことを禁止するなど問題があった」と主張し,男性教諭の対応が争点となった。 判決は「適切に水分補給するなど,過失はない」と認定したうえで,「熱中症を予見できたとは認められない」と,原告側の主張を全面的に退けた。

町田市が6800万円賠償へ 部活で熱中症死,中2男子遺族に
(東京新聞2010年5月26日より)
 町田市立町田第三中学校で2007年8月,2年生の男子生徒=当時(13)=が夏休み中のバスケットボール部の部活動終了直後,熱中症で倒れ死亡した問題で,同市は,熱中症への対策が足りなかったとして遺族に損害賠償金約6800万円を支払う方針を決めた。6月1日開会の市議会定例会に関連議案を提出する。 遺族側は,この賠償金額で示談に応じる意向という。
 同市教委によると,生徒は07年8月14日,同校体育館でバスケットボールの部活動の後片づけをした後,熱中症で倒れた。多摩市内の病院に運ばれたが,2日後の8月16日に死亡した。
 同校によると,14日は体育館でドリブル練習などを約3時間行った。練習中には休憩を二度取り,水分補給をした。生徒は前日,「気分が悪い」と訴えて練習を見学したが,14日は変わった様子はなかったという。
 市などによると,体育館には冷房設備はなく,同校が同15日午後に館内の気温を測定したところ,37度に達していた。市は「部活動での熱中症対策が当時不足していた」と認め,遺族との示談を進めていた。

 同じ日に報道された熱中症死亡事故2件です。事故の日も同じころです。
 1件は,裁判で,損害賠償請求が認められなかった件。
 もう1件は,裁判以前に,損害賠償する和解となる件。
 何が,両者の結論を分けたのか。

 正直,報道されている限りの事実関係では,よく分かりません。
 過失が問題となるケースでは,微妙な事実関係の積み重ねによって,結論が左右されることも少なくありません。 訴訟では,そのあたりの細やかな主張立証が必要です。