【5/28】家賃督促状,玄関ドアに張り付けは違法 大阪地裁判決

投稿者: | 2010年6月2日

(asahi.com2010年5月28日より)
 滞納家賃の支払いを求める督促状を自宅玄関に張られ精神的苦痛を受けたとして,大阪府柏原市の会社員の男性(29)が家賃保証会社に110万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日,大阪地裁であった。 窪田俊秀裁判官は「家賃の支払い状況はプライバシー情報で,不特定の人に知られる状態にするのは名誉を損ねる違法な取り立てだ」として,保証会社に慰謝料など6万5千円の支払いを命じた。

 消費者金融などの取り立てをめぐっては,貸金業法がこうした張り紙を禁じているが,滞納家賃については規制する法律がない。
 支援団体「全国追い出し屋対策会議」によると,同様の訴訟で,督促状の文言は問わず玄関に張るだけで違法と認めた判決は初めて。

 判決によると,男性は2008年9月分のマンション家賃8万5千円を滞納。保証会社は同月以降,家主に滞納分を立て替えたうえで,男性宅の玄関ドアに督促状を張りつけたほか,電話で「出ていけ」などと退去を要求。男性はその後,家賃を支払った。
 窪田裁判官は「督促状は郵便受けに入れれば足りる」と指摘。 高圧的な口調の取り立てについては「社会通念上の限度を超える」と判断した。

 強引な家賃の取り立てに刑事罰を科すことを盛り込んだ「追い出し規制法(通称)」案は今月25日に衆院国土交通委員会に付託された。先に審理した参院は全会一致で可決しており,6月にも成立する見通しになっている。

 割と最近になって,賃貸に関係する保証会社が,数多 出現しました。
 ただ,類例の少ない業界で,保証料と支出のバランスについてのノウハウが無かったためでしょうか,相次いで破綻しています。
 恐らく,想定以上に貧困家庭が増え,法の賃借人肩入れが想像以上だったのでしょう。

 実際,貧困問題は,社会問題化しています。
 とは言え,大赤字の財政から,社会保障費を大きく出す余裕はない。
 しかし,ホームレスが増えると,社会は不安定となる(社会的コストの増大)。
 で,何が起こるか。
 端的に言うと,社会的コストを,特定集団(大家)に負担させる動きの加速です(同じような構図は,労働問題や,医療費滞納問題などでも見られます)。

 法律は,国会が制定します。
 国会は,国の政策を,法律として表現します。
 今後,貧困問題が進行するにつれ,賃貸経営のリスクは大きくなっていくと思われます。