シニアカー事故:ご用心 歩行者に追突,加害者に 自賠責の制度なし,高額賠償も懸念

投稿者: | 2010年5月4日

(毎日新聞2010年5月4日より)
 高齢者らの乗るハンドル型電動車いす(シニアカー)に追突されて右足に全治3カ月の重傷を負い後遺症が残ったとして,東京都荒川区の男性(63)が,運転していた男性(77)に440万円の賠償を求め,東京地裁に提訴していたことが分かった。
 男性はシニアカー用の損害保険に加入していたが,シニアカーには自動車のような強制加入の自賠責保険はなく,原告側の弁護士は「損害保険未加入だと,高額の賠償を余儀なくされる」と注意を呼びかけている。

 警察庁によると,シニアカーなどの電動車いすは道路交通法上,「歩行者」に分類され,歩行者とぶつかっても歩行者同士の衝突事案とされる。交通事故ではないため加害例は把握できていない。
 だが,東京消防庁によると,05年7月,立川市で接触によって母親の抱いていた1歳児が投げ出されるなど,05年4月~08年末に都内だけで少なくとも7件の加害例がある。損保大手6社はシニアカー運転者を対象とする保険を取り扱っているが,加入率や支払件数は明らかにしていない。

【シニアカー】
 電動車いすは操作方法から,ハンドル型とジョイスティック型に大別され,このうちハンドル型を指す通称。大きさ(長さ120センチ,幅70センチ,高さ109センチ以内),最高速度時速6キロ未満などの基準があり,道交法上は歩行者なので車道ではなく歩道を通行し運転免許は不要。80年代に商品化され,業界団体「電動車いす安全普及協会」(浜松市)によると08年までに40万台が出荷された。

 これ,怖いです。
 シニアカーでも,自転車でも,あるいは歩行者であっても,いつ,加害者になってしまうか分かりません。
 過失が軽くても,相手の被害が重ければ,損害賠償額は大きくなってしまいます。
 たとえば,相手が転倒して,骨折するかもしれません。後遺症が残るかも。そんなとき,思いがけない責任を負うことになります。

 個人賠償責任保険という保険があります。 自動車保険や,火災保険で,個人賠償特約を加えるという方法もあります。
 保険料は安めなので,是非,加入しておいた方がいいです。