不動産管理業者に登録制導入へ 借り主と家主,双方保護

投稿者: | 2009年12月27日

(asahi.com2009年12月27日より)
賃貸住宅の滞納・明け渡しトラブルを防止するため,国土交通省は全国に約8万ある不動産管理業者などを対象に登録制を導入する方針を決めた。借り主と家主双方を保護し,市場の健全化を図る。
新制度の対象は,賃料の徴収や賃貸借契約の更新・解約業務を担う管理業者と,賃貸住宅を一括借り上げして転貸するサブリース業者。賃貸借契約の際,借り主と家主に対する重要事項の説明と書面の交付をルール化する。借り主に対する契約に基づかない金銭の請求,行き過ぎた取り立て・追い出し行為などを禁止。不正行為があった場合,登録を削除する。
国交省で登録を受け付けてホームページなどで公開。ただし,新制度は任意のため,法的強制力を伴わない。政府が次の通常国会に提出予定の「追い出し規制法案(通称)」の施行に合わせて導入する。
国交省の調べでは,民間賃貸住宅(約1300万戸)の8割以上が個人家主で,そのうちの7割超が管理業務を委託している。国民生活センターによると,賃貸住宅をめぐる相談は2008年度で約3万3000件で,1999年度の2.3倍と急増。退去時の原状回復や敷金返還などのトラブルが目立っている。

賃貸借契約の仲介をする宅建業者,つまり,契約するときに間に入る業者は,既に,免許・登録制です。
管理業務についても,マンションの管理については,管理業務主任者・マンション管理士の資格が設けられ,登録制度がとられています(マンションの管理の適正化の推進に関する法律)。
上の記事によれば,今後,管理業者等について,広く一般に登録制をとり,より強く規制するようにすることが計画されているようです。一応は任意と言っていますが,このような制度ができる以上,無登録だと信用力が劣後することになりますので,事実上の半強制的システムと言うべきでしょう。
最近,悪質な家賃取り立てとか,無理矢理な追い出しが,社会問題化しています。
しかし,「追い出し規制法案(通称)」,ですか…。
それがいかなる内容になるとしても,ただでさえ,法は賃借人保護に寄っているのに,更に,賃借人保護が厚くなるのは確実です。
サラリーマンの方が,節税のために投資用マンションを購入したりとか,遊休土地を所有する方が,相続税対策等でサブリース契約を結んでアパートを建てるとかいうのは,珍しいことではありません。
しかし,賃貸をビジネスにする場合は,法が賃借人保護に大きく偏っているということのリスクを,決して,軽視してはいけません。