(asahi.com2010年06月02日より)
購入費のほとんどを負担すると持ちかけながら,実際には負担分を払わなかったとして,各務原市の男性ら13人が,発電設備設置・販売会社「アサヒ給湯岐阜」(岐阜市)と同社長ら15人に対し損害賠償を求めていた訴訟の判決が1日あり,岐阜地裁(針塚遵裁判官)は社長ら2人と同社に約9000万円の支払いを命じた。
訴状によると,同社は2004年7月に設立。05~06年,同社員が各務原市の男性らに「この地区で太陽光発電システムのデータをとりたい」「資金の大部分は負担する」などと勧誘し,発電システムやIHクッキングヒーターなどを購入させた。1人当たり600万~1200万円のローン契約を信販会社と結ばせた。
同社は当初,負担分を支払っていたが,08年8月からは滞り,年末からは事実上の休眠状態となった。社長とも連絡が取れず,信販会社への計約9000万円(13人分)の支払いが残ったという。
県弁護士会は,08年11月に被害対策弁護団を結成。被害者は岐阜市や高山市のほか,富山県や愛知県内などで100人以上にのぼり,民事訴訟のほか,信販会社との和解協議を進めている。
消費者被害は,無くなりません。
業者にとっては手っ取り早く儲かるから。 そして,儲け話に釣られる消費者もいなくならないから。
紛争化した後の問題は,業者に対する責任追及と,回収(ローンへの対策)です。
多くのケースで,後者の方が,大きな問題となります。
こういった場合,信販会社との間で,債務免除(ローンの取消し) を交渉するのが,常道です。
信販会社は,加盟店制度を持っています。加盟店を取捨選択できる立場にある以上,一定の管理・監督責任があります。
この点を追及して,交渉するのです。
ただ,業者の販売方法に大きな問題があっても,それに乗った消費者の責任も,問題になります。 構図としては「取り込み詐欺」に似通っているからです。 つまり,業者が信販会社より商品代金(立替金)を獲得することに,消費者が関与したようなものですから。
また,記事の事案は,業者が販売した商品自体は,問題なさそうです(節電器具など,商品自体が詐欺まがいのものの方が,信販会社の責任を追及しやすいです)。
難しい交渉になると思われます。