(47NEWS2009年12月16日より)
ライブドアの粉飾決算事件による株価急落で損害を受けたとして,信託銀5行と日本生命がLD側に計約108億8000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で,東京高裁は16日,約95億4000万円を認容した1審東京地裁判決を一部変更し,約98億9000万円の支払いを命じた。
2004年の証券取引法(現・金融商品取引法)改正で新設された「推定規定」では,虚偽記載の公表日を起点に前後1カ月の平均株価の差を機械的に損害額とみなしている。
裁判所は,推定損害額から虚偽記載以外の株価下落要因による値下がり分を「1割にとどまる」と判断し,算出した。
一時期かなり話題となった問題の後日談です。
直接,中身についてコメントするのではなく,違った角度から。
これって,信託銀行や生命保険会社は,投資のプロのはずなのに,粉飾決算を見抜けなかったというのでしょうか? そんなはずはありません(と信じます)。
ライブドアについては,株価が実態と懸け離れていることは,当時から,割と公知でした。決算の問題を指摘する声も,少なからずありました。
無茶な株式分割を繰り返していたにもかかわらず,ライブドア・バブルと言われ,同社が株取引の活性性や株価上昇を牽引していたので,東証は敢えて黙認している,という見方もありました。
一般の個人投資家は,確かに,粉飾決算の被害者です。
しかしながら,プロは,ただ逃げ遅れただけです。
大切な資金を託す先は,慎重に選びましょう。