最近,立て続けに相談を受けました。
同じような状況の方が少なくないのかも…と思って,記事にします。
住宅金融公庫(現在は住宅金融支援機構)の融資で,「60歳で,残りのローン期間は20年」といった借り方をしている人がいます。
返済計画は,
(1) 退職金
(2) 団体信用生命保険 (以下「団信」)
のいずれか。
問題は,(2)です。
借金が嵩んで,住宅ローンが払えなくなることがあります。
その場合,滞納が(概ね)半年になる前に弁護士に相談すれば,債務整理等の方法で解決できる場合があります。
しかし,滞納期間が半年を超えたら,公庫から,「不良債権」のレッテルを貼られます。 こうなると,公庫は,「建物の売却による一挙回収」という方針になり,「分割で払いたい」といった要望には一切応じません。
この場合に,どうしても家を残したいなら,裁判所に民事再生(個人再生)の手続を申し立てるという方法があり,かつ,その方法しかありません。
裁判所に,民事再生を認可してもらえれば,住宅ローンも,「分割払い」でよいことになります。
民事再生を申し立てる前には,必ず,「分割払を続けたら,将来,支払が終わるのか」ということを,考えておかなければなりません。
ここでポイントとなるのが,団信。
将来,大黒柱が亡くなったとき,
・ 団信が生きていれば,保険金で残ローンがチャラになり,家族に家が残ります。
・ 団信が失効してると,老いた妻が,家を失うことになりかねません。
住宅ローンを滞納している場合,団信の掛金も滞納しがちです。
そのために団信が失効してしまえば,実際上,家を残すという選択が,とても難しくなります。
何としてでも,団信の滞納だけは,してはいけません。