(共同通信2010/05/27より)
過払い金返還訴訟をめぐり,横浜市の貸金業者の代理人弁護士が「借り手側の訴訟活動で個人攻撃された」として,千葉県と横浜弁護士会所属の弁護士ら8人に500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で,東京地裁(阿部潤裁判長)は27日,50万円の慰謝料支払いを命じた。貸金業者側も同様に2500万円を請求していたが退けられた。判決によると,借り手側の弁護士らは昨年5月,「貸金業者の役員は暴力団構成員」「弁護士は風評が良くない会社の訴訟を担当しないのが常識」との書面を最高裁に提出し,6月の弁論で陳述した。書面は第三者に閲覧された。
判決理由で阿部裁判長は「弁護士に関する記載は争点と関係がなく,訴訟活動に名を借りた個人攻撃で社会的信用や名誉を損ねた」と認定。貸金業者についての記載は「訴訟活動の範囲内」とした。
貸金業者側の弁護士は第二東京弁護士会所属。
訴訟活動上の必要がある場合に,相手方を非難することは,かなり緩やかに許容されます。
本件のように,争点に関わる限り「役員は暴力団構成員」といった主張も「訴訟活動の範囲内」とされます。
ただし,争点に関わらない個人攻撃なら別です。
この事案,業者側の対応に業を煮やし,それに荷担した業者側弁護士に対して腸が煮えくりかえったのかもしれませんが,借り手側弁護士の方で,筆が過ぎたようです。