(asahi.com2010年5月21日より)
政府は21日,労災では救われない被害者のための石綿健康被害救済法(石綿新法)の対象疾病に,重症の石綿肺とびまん性胸膜肥厚を追加する施行令の改正を閣議決定した。
これまでは,石綿以外の発症原因が考えにくい中皮腫(ちゅうひしゅ)と,症状が重篤な肺がんに対象を限っていた。7月1日に施行する。石綿新法は,石綿を扱っていたクボタ旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の周辺住民への被害発覚を受け,2006年に成立した。労災の対象にならない住民らに,医療費と月10万円の療養手当を支給している。今回,新たに追加された疾病は,労災認定ではすでに対象に含まれるが,新法では「石綿以外の原因と区別が難しい」などとして対象外だった。
新法は,施行後5年の見直し時期を迎えている。環境省は今後,対象をさらに拡大することも含めて,検討を進める方針だ。19日には大阪府泉南地域の石綿被害をめぐり,大阪地裁で国の規制の不備を初めて認める判決が言い渡された。小沢鋭仁環境相は「判決は判決として,石綿の健康被害者救済にはしっかりと取り組んでいきたい」としていた。
労災として救済の対象となっている疾患について,周辺住民らについても救済することは,至極,当然です。
むしろ,遅いと言うべきでしょう。
石綿は,以前は,極く普通に使われていました。
泉南アスベスト訴訟では,国の不作為責任が断罪されました。 早期の救済実現が望まれます。
※追記(6/1): 泉南アスベスト訴訟で,国は控訴しました。