下請法:勧告は15件 公取委

投稿者: | 2010年5月19日

(毎日新聞2010年5月19日より)
 公正取引委員会は19日,下請けいじめを取り締まる下請法の09年度運用状況を発表した。
 違反行為の是正や再発防止を求めた勧告は,04年の法改正後最多だった08年度と同じ15件。いずれも親業者が下請け代金を不当に減額していた。
 さらに協力金名目で下請け業者に一定額を支払わせていたケースについては,「不当な経済上の利益の提供要請」を初めて適用した。
 指導は08年度より641件増えて3590件。勧告や指導を受け,61社が不当な減額分計4億8116万円を下請け2160業者に返還した。

 そもそも,建築業界では,「時には損する仕事もやって,元請けの信頼得て,次の工事で取り戻す」といった伝統もあったようです。
 昨今,元請けの方も苦しくなって,下請けから搾取しなければ生き残れない,しかも,十分な利益を出せる「次の工事」も用意できない,という状況から,紛争が勃発します。

 それでも,下請けは,元請けと対抗したら生きていけない。
 下請けいじめは,下請け側が泣き寝入りをするために,簡単には止まりません。
 このような分野では,悪質な下請けいじめをした元請けに対し,一度 摘発されたら,すぐにも倒産するレベルの罰則が課される等しない限り,なかなか,状況は変わりません。