(asahi.com2010年03月03日より)
高速道路に飛び出したキツネを避けようとした運転者が事故で亡くなったことをめぐり,遺族が「侵入防止策を怠った」として東日本高速道路(旧日本道路公団)に賠償を求めた訴訟の上告審判決が2日,あった。最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は「道路が安全性を欠いていたとはいえない」と述べ,同社に約5100万円の支払いを命じた二審・札幌高裁判決を破棄。原告側の逆転敗訴が確定した。
問題の事故は2001年10月,苫小牧市の道央道で起きた。乗用車を運転中,キツネを避けた看護師(当時34)が分離帯に衝突し,後続車に追突されて亡くなった。第三小法廷は,同じ道路ではキツネがはねられる事故が年間数十件続いている一方,キツネを避けようとして死傷事故が起きたことは珍しく,運転者側の対応で死傷事故を避けうると指摘。「動物注意」の標識も設けられていたことなどから同社の責任を否定した。
二審判決は「キツネの出没が頻繁な場所で,侵入をさくで防止できた」などと,高速道路社の過失を認めていた。
最高裁の棄却事例です。
ちょっと,考え込んでしまいました。
「年間数十件もキツネがはねられている」一方で,「キツネのための死傷事故はまれ」だから,「運転者側の対応で死傷事故を避けられる」との認定。
要するに,「キツネが飛び出しても,そのまま轢いたらいいではないか」という理屈なのでしょうか。
疑問が残る判決です。