ため込んでいたアンケートをご紹介する怒濤のシリーズ,第8段です (last)。
こちらの方は,お母様を事故で亡くされています。
しかし,加害者側の保険の提示は,とても低いものでした。
原因は,被害者が高齢であったことと,単独でお住まいだったこと。
被害者が高齢の方の場合,保険会社は,慰謝料額を低めに出す傾向があります。
また,被害者が独居の場合,いわゆる「主婦」とは見なされません。 「主婦」とは,他人(家族等)のために,家事労働を提供する者だからです。
「主婦」でないとすると,逸失利益(将来の休業損害)を計上することが困難になります。
こういった問題は,評価がとても難しく,裁判になった場合も大きな争点となります。
本件では,被害者は年金を受給されていましたので,「主婦」とは言えないが,年金収入があった方として,損害の計算を行いました。
年金制度は複雑で,この方の受給方法もイレギュラーな形でしたが,何とか理屈をつけて,相応規模の損害として構成しました。
その上で,先方(途中で弁護士が就きました。)と協議を重ねましたが,任意の示談交渉では決着の見通しがないため,調停の申立てを行いました。
結局,調停手続の中で,この種事案としてはかなり迅速に,合理的な内容で解決できました。
大変心苦しいところですが,死亡事故であっても,法律(民事)では,お金(損害賠償)の形で決着するしかありません。
賠償問題が解決したからと言って,ご遺族の方の心が晴れるものではありません。
でも,一歩一歩,なのだと思います。
「やるべきことはやった」と思えるだけのことを,やっておくのが大切だと感じます。
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アンケート紹介は,見えにくく比べにくい「法律事務所」のサービスについて,イメージを持って頂くために行ってます。 実際のご利用者の感想を,参考にされてください。
なお,すべてをご紹介すると膨大となるため,特徴的な件,印象深い件を中心にピックアップしてます。