【6/27】高次脳機能障害:普通に会話,漢字も分かるが… 自立へ理解と支援を /奈良

投稿者: | 2010年7月17日

(毎日新聞2010年6月27日より)
 交通事故や病気で脳に損傷を受け,記憶などに支障が出る「高次脳機能障害」。表面的には症状が分かりにくいことなどから,「見えない障害」と言われる。国内で障害を持つ人の数さえ分かっておらず,福祉サービスなどの整備もこれからだ。その当事者や家族でつくる「脳外傷友の会」全国大会が26日,奈良市で開かれた。関係者は大会をきっかけに理解が広がるよう期待している。

 「近所の人ともあいさつするし,漢字も分かる。それでも障害と言われ,悩んでいる」。県内の男性(43)は18歳の時,バイク事故に遭い,高次脳機能障害と診断された。普通に会話でき,男性も自覚がない。だが,年齢を聞くと,「えーと……」とすぐに答えられない。記憶障害があり,現金の管理も難しい。
 県内の家族の会「奈良脳外傷友の会あすか」は,会員同士で悩みを語り合ったり,リハビリグループ「宙の会」を運営している。男性の母親も会員で,「高齢化などで家族が介護できなくなっても,本人が安心して暮らせる社会が私たちの望み」と話す。

 6月10日,奈良市総合福祉センターで開かれた「宙の会」。参加者は文章を音読したり,合唱したりした。休憩中の雑談では政治談義も交わされ,障害者の集まりとは思えない。「一般の障害者施設や高齢者向け施設に行っても,なじまない人が多い」と大久保さん。障害の特徴に合った支援を受けられる場はまだ乏しく,同会を開いた理由もそこにある。就労支援を含めた自立を助けるサービスの充実が求められている。

 目に見えにくい障害は,本人さんも自覚しにくく,周囲からの理解されにくい。
 高次脳機能障害は,その最たるものです。

 交通事故の被害者で,高次脳機能障害を起こされる方がいます。
 自賠責は,最近,高次脳機能障害を後遺症として把握しやすくするため,認定基準を変えています。
 ただ,それでも,十分ではありません。

 交通事故以外でも,たとえば,脳梗塞等を発症した方で,高次脳機能障害を起こされる場合があります。
 発症に関して医療過誤が疑われる場合,労災と言える場合,被害・障害を損害査定した上で加害者と交渉することになりますが,高次脳機能障害については評価が難しく,交渉も難航します。

 後遺症は,長期間,付き合っていかなければなりません。 治療,リハビリも必要です。
 事故に起因する障害については,十分な賠償金を獲得することが必要です。
 結局,裁判となることが多いのですが,裁判でも,裁判官を説得するためには緻密な立証が必要となり,とても大変です。

 記事のような,社会的な認知度を高くするための活動は,とても重要だと思います。