中学柔道部員の熱中症死,神戸市に1866万円賠償命令
(asahi.com2010年5月19日より)
神戸市立御影中学(東灘区)の中学1年(当時13)が5年前,柔道部の合宿中に熱中症で死亡したのは顧問らが適切な措置を怠ったためだとして,母親(43)が当時の顧問や校長を任用した市に対して約5220万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日,神戸地裁であった。 角隆博裁判長は「教育活動における注意義務を怠った」として,市に約1866万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
判決によると,中学生は2005年8月2日,兵庫県淡路市での合宿に参加。練習中,同校の臨時講師だった元顧問や元副顧問に「水を飲みたい」「インフルエンザのようだ」と体調不良を訴えたが練習を続けるよう指示され,練習後に意識不明になり,翌日未明に死亡した。
角裁判長は,練習当日の最高気温が30.1度だったことや中学生が繰り返し体調不良を訴えていたことから,「熱中症の症状が継続していた」と判断。元顧問らに対し「運動部の顧問として熱中症の症状や応急処置の知識は通常持っているべきで,熱中症を疑うことができたのに練習を中止するなどの注意義務を怠った」と指摘した。
原告側は当時の校長や市教育長についても「事故防止に関して適切な指導をする義務があった」と責任を問うたが,判決では言及されなかった。
部活中の事故です。
柔道とか,剣道とか,「道」のつく武道系の部活って,精神論が先行しがちです。
とくに,顧問教師が経験者の場合は,その傾向が甚だしいです。
きつい練習を乗り越えて一皮むける。 そういうことは確かにあると思います。
しかし,きつい練習を課す場合には,教師が責任をもって,生徒の体調を管理することが不可欠でしょう。
生徒が教師の命令に背くことなんて,事実上できないのですから。