高齢ドライバーの交通事故があいつぐ

投稿者: | 2015年11月1日

高齢ドライバー

毎日新聞2015年11月1日
容疑者は同店の依頼で冷蔵庫の修理を終え、駐車場に止めた車を運転して帰るところだったという。
車は最初、低速で店に向かって動き出した。店の前で止まると思ったら、加速するように突っ込んで入り口の自動ドアのガラスを突き破った。直進して座敷席の畳に乗り上げ、食事をしていた客らをはねた。入り口から約15メートル奥の壁にぶつかって止まり、容疑者は、ぼうぜんとした様子で車を降りたという。

先日の宮崎の件とは別の、高齢ドライバーの交通事故です。

高齢者がアクセルとブレーキを踏み間違える事故があいついでます。
この容疑者は機械修理をした業者のようなので、明かな認知症はなかったのではないかと思います。
それでも、踏み間違え事故は起こります。

踏み間違え事故のメカニズムは、たいてい次のようなものです。

  1. 発進のとき、安全のためにブレーキを踏んでおく
  2. というつもりが、足をアクセルペダルに置いていた
  3. 踏んだら車が前進したのでパニック!
  4. ブレーキを踏んでるつもりなので、更に強く踏み込む
  5. 結果、激しいクラッシュ!!

2が起こる時点で、注意散漫です。
でも頭が柔軟なら、もし2が起きても、3~4のどこかで修正が働きます。

たとえば飲酒運転をする人は「自分はしっかりしている」って思ってるもんですが、実際、ルーチンの運転操作は(人によっては)大丈夫なのかもしれません。でも、何かのアクシデントが発生したときの対応力は確実に劣化してます。
加齢のために咄嗟の判断・修正ができなくなるのも、似たようなものだと思います。

もちろん、ある程度、対策がとられています。

高齢ドライバーの事故防止のため、免許更新する際に70歳以上に高齢者講習を行っているほか、75歳以上には認知機能検査を課している。
今年6月には改正道路交通法が成立。検査で「認知症のおそれがある」と指摘され、医師に認知症と診断されると免許は取り消し・停止になるなど対応を厳格化した。

しかし、とても、十分な対策とは言えません。

高齢者にとって、運転免許を取り上げられるのは「何もできない人」との烙印を押されるように感じられ、とても抵抗が強いと聞きます。
また実際に、車がないと生活が成り立たない人たちも少なくないのでしょう。

それでも、やはり運転免許というものは「安全を図れる人だけに与えられる特別の道路使用許可証」でなければならないと思います。

最近の車には、踏み間違えを関知して、自動でブレーキがかかるようになっているものもあります。
余裕のある方は、過信しないで、そういった車種に乗り換えていただきたいものです。