ご注意 ~ 示談金などのネット情報について

投稿者: | 2013年4月7日

インターネットは便利です。 簡単に,様々な情報を入手できます。

法律問題についての情報も,たくさんあります。 かくいうアトラス法律事務所も,積極的に情報発信しております。

時々,「示談金は○○円くらいと,ネットで見た」といったご相談を受けることがあります。

私の見立てがそれを下回ると,がっかりされます。

もちろん,丁寧に説明したら,理解して頂ける場合が多いのですが,中には,ネット情報が頭に刷り込まれて,それに固執される方もいらっしゃいます。

ネットは便利ですが,時に,無闇に紛争を拡大させる場合もあると感じます。

 

インターネット上の情報を鵜呑みにするのは危険です。 うちのホームページも含め,

・ 一般論的な情報については,あなたのケースにどのように適用されるかが問題です。

・ ケース紹介の情報については,あなたのケースとの異同が問題になります。

 

たとえば,交通事故に関する情報なら,

 保険会社の提示が低く,弁護士が介入すると大きく上がる

ということは,一般論として,言えます。 しかし,

 いくら上がるか? 14級でいくらになるか?

といったことは,ケースバイケースと言う他ありません。 経験的には30%~50%ほどのアップが多いですが,それより小幅の場合もありますし,2倍になることもあります。

 

例をあげると,損害賠償において「逸失利益」という損害項目があります。

いわば「将来の休業損害」といった意味ですが,これは,原則として,事故時の収入をベースに算定します(主婦や,求職中の方などは例外)。

つまり,ネットで紹介されたケースと,相談者のケースを比べた場合に,年収が倍なら「逸失利益」も倍となり,年収が半分なら「逸失利益」も半分になります。

 

もう1つ例をあげると,損害賠償において「傷害慰謝料」という損害項目があります。

これは,裁判基準では,入通院期間をベースに,一定の相場が形成されています。

つまり,治療に要した期間によって,慰謝料額は変わってきます。

更に,同じような傷病名・治療期間でも,入院の有無で大きく変わりますし,通院の頻度でも変わってくることがあります。

 

この他にも,休業期間とか,既往症とか,過失とか,既払い(仮払い)などの 有無・程度によって,示談の際に手にする示談金は変わってきます。

同じ14級でも,状況が異なれば,示談金は大きく変わってくるのです。

 

ネットで紹介されたケースと,相談者のケースとが,必ず同じになるなら,弁護士は要りません。

具体的なご事情に即して,適切な算定をし,その中で最善・最大の主張を組み立てて迅速・的確に交渉を進めて行くのが,プロの技です。

 

良いことばかり言って,加害者側に過大な請求をふっかけるのは,良い弁護士とは言えません。

無理筋の主張を強弁したら,示談はまとまらず裁判となり,しかも,裁判は長期にかかって,結局,「骨折り損」になるからです。

※もちろん,非典型的な主張であっても,被害が深刻な場合等で,覚悟の上で徹底して主張していくべき事案もあるでしょう。 そんな時は,弁護士としても最善を図ります。

 

迅速・的確な交渉のためには,実務感覚が重要です。

損害賠償の交渉や裁判について,代理人活動ができるのは,原則として弁護士だけです(例外的に,140万円までの簡裁管轄事件に限っては,司法書士もできます)。

実は,ネット情報は,行政書士が書いているものが多いようです。  しかし,行政書士は,交通事故等の法的紛争について交渉・裁判する権限は一切ありませんから,実務感覚は期待できません。

※行政書士は,許認可等を本拠とする資格であり,そういった分野で高い専門性を持つ方はたくさんいます。 あくまで,法的紛争に関しての実務感覚の話です。

 

ネット等の情報は,問題を大づかみするためには有益なものも多々ありますが,

情報を鵜呑みにせず,情報と上手に付き合うよう,ご注意ください。